奈良時代は、梅は中国から伝わった大変高貴な花だったそうです。
引用:インスタグラムより
皆さん、運動はしていらっしゃいますか。
初夏は、新緑が目に眩しく、爽やかな風が吹く季節。
家にいてばかりではもったいないですよね。(笑)
と、言いながら、冬の話になります。(笑)
わたしは、健康のためにできるだけ毎日散歩しています。
ただ、家の回りの散歩というと、コースが決まってくるのですよね。
最近は健康志向で、おすすめ散歩コースを紹介している市町村が多い。
と、いうことで、ちょっと遠くにいって、初めてのコースでウォーキングしました。
このコースは、古都大宰府を歩きます。
おすすめのコースの一つに大宰府政庁跡から、観世音寺を通って大宰府天満宮まで歩く、約2kmのコースが紹介されていました。
往復すると、1時間か…
ちょうどいいコースです。
幸い休みの日で、アッシー君の(表現が古すぎるか…笑)夫が一緒だったので、太宰府までは、車で行きました。
そして、大宰府政庁跡の近くの駐車場に車を止めて、スタート。
コース通りに歩こうとすると、こんな看板が。
これは…これは…
すぐ、近くに令和ゆかりの坂本八幡神社があるんだ…。
ということで、坂本八幡神社に寄り道をすることにしました。
元号が平成から令和に代わって、はや4年目です。
時が経つのは、早いものですね。
令和という元号の由来は日本最古の歌集『万葉集』に載っている、「梅花の歌三十二首 序文」から採られました。
「梅花の歌三十二首」とは、神亀4(727)年頃に、大宰府の長官である大宰帥(だざいのそち)として赴任してきた大伴旅人(665~731)が、自宅に大宰府や九州の役人を招待して、梅花の宴を催したときの歌です。
(大伴旅人の邸宅の候補は他にもいくつかあります。)
〈そうそう、この近くには梅大路という、雅な名前のバス停があるんですよ!〉
では、『万葉集』から、令和がある文章を抜き出してみましょう。
于時、初春令月、気淑風和。梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。
書き下し文にすると、
時に、初春の令月、気淑しく風和ぐ。梅は鏡前の粉に披き、蘭は珮後の香に薫る。
ときに、しょしゅんのれいげつ、きうるわしくかぜそよぐ。うめはきょうぜんのこにひらき、らんははいごのかおりにかおる。
意味
あたかも初春のよき月、気はうららかにして、風は穏やかだ。梅は鏡台の前のおしろいのような色に花が開き、蘭草は腰につける匂い袋の香のように、良い香りが薫っている。
(古都大宰府保存協会のパンフレットを参考に、少しアレンジを加えました。)
博多人形による「梅花の宴」
太宰府展示館の展示品より
待ちに待った美しい梅の花が咲いたことへの喜び、感謝の気持ちが表れている…そんな風に感じませんか?
桜の木の下で、ドンチャンと歌い騒ぐ、現代のお花見の原型を見ているようです。
では、お話を現代に戻しましょう。
坂本八幡神社へは、梅の木の並木道をまっすぐに歩きます。
梅の並木道は、奈良時代の雰囲気を醸し出していました、と書きたいのですが…。
哀しいかな、この時はまだ、花が咲いていない。(笑)
さぁ、坂本八幡神社につきました。
入口
拝殿
あらっ。
小さい。
我が家の近所の神社より小さい。
しかも、無人の神社。
令和になった時、ここに何千人も並んだとは信じられません。
でも、こざっぱりときれいに清掃されていて、まわりの原っぱからは、爽やかな風が吹いていて、とても居心地のいい神社です。
ところで、坂本八幡神社創建の由来は明らかではありません。
平安時代には、ここに善正寺という天台宗のお寺があったそうです。
この、善正寺は、九州の豪族である少弐氏が滅亡してから、廃れていったとのことです。
さて、入り口の近くに3つの石碑がありました。
一つは、令和の碑。
もう一つの碑は、梅花の宴に主賓として招かれた、大弐紀卿(誰に相当するか不明)の歌。
わが岡に さ男鹿来鳴く 初萩の
花嬬問ひに 来鳴くさ男鹿
わがをかに さをしかきなく はつはぎの
はなづまとひに きなくさをしか
私の家の近くの岡に牡鹿が来て、鳴いている。萩の花に妻になってほしいと、鳴いているよ。
花嬬(はなづま)とは、鹿が、いつも萩に寄り添うことから、鹿の奥さんにみたてて、 萩の花を花嬬(はなづま)と呼んだとのことです。
奈良の平城京から大宰府に赴任してきた大伴旅人にとって、大宰府は家の近くで鹿を見かけるくらいの、雲泥の差で寂しい所だったのかもしれませんね。
因みに、『万葉集』は大伴旅人の子どもである大伴家持(718?~785)によって編纂されました。
そのレポートについては次回に書きますね。
今回は既に2000字を超えてしまったので。
最後に、アクセスを。
・コミュニティバスまほろば号で、大宰府政庁跡下車 徒歩約5分
・福岡空港、博多駅からの直行便は、太宰府ライナーバス「旅人(たびと)」
今日も…日日是好日。
p.s.
もう、遠い昔のように感じますが(笑)、皆さんは、ゴールデンウィークはいかがお過ごしになりましたでしょうか。
わたしは、ちょうど庭の梅の実が大きくなったので、梅の実をとりました。
おかげさまで、今年は豊作でした。
近所におすそ分けをして、残った分を梅酒にしました。
梅酒は、1年たてば美味しく飲めると言いますが、個人的には、少なくとも2年は置いたままにしておく方が、美味しいようです。
もっと置けば、より美味しいのでしょうが、待ちきれません(笑)
この梅は2年後の楽しみです。(笑)