泣いても笑っても日日是好日

人生は一期一会の連続。平凡な毎日でも、泣いても笑っても…

志賀海神社…潮風に吹かれながら海人族ゆかりの地を感じる


f:id:gracedusoleil2525:20240701171514j:image

志賀海神社  本殿

 

 

 

 

今回は、福岡の神社のご紹介です。

 

今回ご紹介するのは、福岡でもとても古くからある神社の志賀海神社(福岡市東区)です。

 

名前の通り志賀島にある神社で、全国の綿津見神社の総本社です。

 

志賀島は古代の海人族である安曇族のゆかりの地で、「漢委奴国王」の金印が発見されたところとしても知られています。

 

また安曇族は、綿津見神(海の神様)の子孫といわれ、現在の宮司さんも安曇さんと言われます。

中国の呉の国(現在の江蘇省付近にあった)からやってきた人たち、とも言われています。

 

その昔、志賀島には、内海むけ(博多湾)と外海むけ(玄界灘)の二つ港があったそうです。

その交通の要衝の志賀島から、金印が発見されたのも、偶然ではないかもしれません。

 

ちなみに、志賀島から九州本土(大袈裟ですが)に繋がる道のすぐ近くの本土側に、志式神社という神社がありますが、そこは、安曇水軍の拠点だったという伝承があるそうです。

RKBラジオの「古代の福岡を歩く」という番組で聴きました。)

 

f:id:gracedusoleil2525:20240626155533j:image

式神

引用:インスタグラムより

 

 

さて、志賀海神社の創建は明らかではありません。

 

もともと島の北側である勝間と言う場所に、表津宮(うわつぐう)、仲津宮(なかつぐう)、沖津宮(おきつぐう)として、信仰されていました。

その表津宮を、神功皇后(ウイキペディアによると、実在すれば4世紀後半の人)の朝鮮出兵の時に、かじ取りをした安曇族の長である安曇磯良が、今の地へ遷宮したとされています。

 

 

もうひとつ志賀海神社でよく知られているのが、この神事。

五穀豊穣や大漁を願う「山誉め祭」です。

 

海の神社なのに、どうして山に向かって大漁を願うの?と、思われるかたがいらっしゃるかもしれません。

 

山の土壌で生成された有機物が、川によって海に運ばれてそれをプランクトンが食べて、そのプランクトンを小魚が食べて、その小魚を、大きな魚が食べて…

という循環が成り立っているそうです。

 

豊かな山が、豊かな海を作るのですね。

 

現在、太陽光発電のために山をはげ山にして、その結果大雨の時に土砂がどっと川に流れ、海を汚したりしているそうです。

 

こうなったら、太陽光発電もエコのようでエコでない…難しい問題ですね。

 

 

…と、話がそれましたが、「山誉め祭」の話に戻して…

 

 

 

この「山誉め祭」の口上に日本の国歌「君が代」とほとんど同じ歌詞があるんですよ。

その話については、こちらの記事をどうぞ。

 

gracedusoleil252525.hatenablog.com

 

 

君が代の君が、安曇族の長とすると…このことからも、金印が安曇族が拠点とした志賀島から発見されたのも、頷けるような気がします。

 

そもそも初代神武天皇のお母さんも、海の民である玉依姫綿津見神の娘)だったし…。

 

ところで、今の宮司さんの先祖である、先ほど出てきた安曇磯良は、神功皇后新羅出兵の時に、顔にアワビやカキがくっついて醜いから、と言って神功皇后の「会いに来るように」という再三の要請を断ったそうです。

 

どうしても磯良に会いたい神功皇后が舞を舞ったら、やっと出てきたという話が伝わっています。

(安曇磯良は、舞が大好きだった。)

 

 

 

この話が、史実を伝えているのなら、安曇磯良には、何か神功皇后に協力したくない訳があったようにも思えるのだけれど…。

 

 

 

 

 

それでは、今から志賀海神社にお参りしましょう。

 

 

 

創建  伝承によれば、神功皇后の時代。

御祭神 綿津見三神底津綿津見神中津綿津見神上津綿津見神)

御神徳 災厄祓除、病気平癒、子供守護、交通安全、海上安全など

 

 

いつも志賀島に行くときは車で行くのですが、今回は博多ベイサイドプレイス博多から、船で行きました。

 

ベイサイドプレイス博多からは船で、志賀島の他、壱岐対馬、五島などにも行くことが出来ます。

 

ちょっと乗り場が離れますが、韓国の釜山に行くJR九州のクイーンビートルもこの近くから出港します。

 

私も、数十年も前、クイーンビートルに乗って、釜山に行きました。

 

今回、志賀島へは「きんいん号」に乗って、出かけました。

 

志賀島船場にかかっていた地図。

志賀海神社の本宮があったとされる、勝間地区は島の北の方にあります。

 

 

一の鳥居

船場を出ると、すぐに鳥居を発見。

この鳥居は福岡藩3代藩主黒田光之(1628~1707)は寛文10(1670)年に造営したもの。

 

この鳥居から志賀海神社までは、まっすぐの道です。

 

 

志賀海神社に着きました。

 

写真が切れていますが、階段下の左側に御潮井(清め砂)があります。

階段を上がる前に御潮井(清め砂)を体に振りかけて身を清めます。

 

 

山之神社(やまのかみしゃ)

拝殿に行く途中に、「山之神社」がありました。

ご祭神は山の神である大山津見神(おおやまつみのかみ)です。

 

志賀海神社には、海の神様も山の神様も祀られているのですね。

 

 

さらに進みます。

 

楼門

楼門が見えてきました。

もともと、戦国時代大内家当主大内持世(1394~1441)が、永享年間(1429~1441)に建立したものだそうです。

その後、福岡藩主である黒田家によって修理され、現在の楼門は昭和9(1934)年に竣工したものとのことです。

 

 

 

 

楼門手前の育民橋

通ることは、できません。

育民橋を迂回します。

 

 

楼門を通り抜けたら、いよいよ拝殿があります。

 

 

拝殿

さあ、拝殿で手を合わせましょう。

 

海の傍なので、潮風が心地いいです。

 

因みに、右側に少しだけ映っている建物は「鹿角庫」(ろっかくこ)といわれ、1万本以上お鹿の角が奉納されているそうです。

神社の境内でも、戦前まで鹿が放し飼いにされていたそうですよ。

 

 

 

拝殿から反時計回りに歩いてみましょう。

 

遥拝所と亀石

志賀島から東側の海が見えます。

 

ここはもう、玄界灘

志賀島の対岸にある大嶽神社(ご祭神は風の神である志那津比古神、志那津比売神、安曇族である大浜宿祢、保食神ほか)、小嶽神社(御祭神は小浜宿祢)、そして伊勢神宮、皇居などの遥拝所となっています。

 

大浜宿祢、小浜宿祢ともに神功皇后新羅出兵の時に活躍した人物とのことです。

 

因みに大嶽神社には、急な階段があって、ホークスの選手が足腰を鍛えるのにこの階段を上り下りすることから、ホークスの聖地と言われているそうです(笑)

(→今年はホークスが強いので、嬉しいです!! …笑)

 

囲いに囲まれている石は、安曇磯良が亀に乗って神功皇后に会いに行った、という伝説にちなんで奉納された亀石です。

 

本殿後方にあるにある境内社

 

 

 

 

本殿西側にある境内社の今宮神社。

 

安曇磯良ほか安曇族諸々の神をはじめ、住吉三神他を祀ります。

 

御神木から漏れ出る木漏れ日が眩しい!!

 

 

以上、本殿の周りを、一周廻ってきました。

 

帰りは、かわいい鹿の飾りがついた、車につける交通安全のお守りを買いました。

 

 

この日は船に乗ったのですが、車で志賀島に行ったときに志賀島をぐるっと一周したことがありました。

 

その時、休暇村志賀島というホテル(志賀島の北の方です)の海水浴場からとった写真です。

 

博多湾の向こうに見える山々は糸島半島の山々です。

 

こう見ると、博多湾をはさんでいるだけなので、結構近いですね。

(下のアクセス案内にグーグルマップを貼っているので、その地図を縮小して、位置確認ができます。)

 

糸島半島と言うと、伊都国があったところと比定されています。

 

ここには、古事記に出てくる神々を祀る古い神社が数多くあります。

 

その一つには、先にかいた君が代の歌詞と同じである細石神社(祭神 コノハナサクヤヒメ、イワナガヒメ)もあります。

 

山誉め祭の歌詞から推測するに、時代が下った安曇磯良の時代は、博多湾は、すでに安曇族の庭のようなものだったのではないでしょうか。

 

 

 

 

最後にアクセスです。

 

 

 

 

志賀島自体は、海水浴場のほか、あまり遊ぶところはないのですが、海の中道志賀島と九州本土をつなぐ)にある西戸崎にいくと、福岡で唯一の水族館であるマリンワールド海の中道や、福岡で有数の敷地を誇る広々とした海の中道海浜公園があり、大人も子どもも楽しめ、とてもお勧めです。

 

ぜひ、これらの施設も一緒に訪れてくださいね。

 

 

子どもが小さい時は、特にプールで泳ぐためによく遊びに来て、疲れ果てて帰ったものですが、子供たちも大きくなり、今はとんとご無沙汰です…。(笑)

 

 

参考までに、リンクを貼っておきますね。

 

marine-world.jp

 

uminaka-park.jp

 

 



今日も…日日是好日