1. はじめに
皆さん、こんにちは。
父が、亡くなって1年が過ぎました。
その間、私たち遺族がしたことを振り返ると…
四十九日の法要前後までは法要に関する作業のほか、年金、介護、医療保険関係の手続きを済ませました。
そして、四十九日の法要が過ぎて一休みして、他の煩わしい相続手続き…法務局、銀行、税務署(相続税があってもなくても、申告書を提出しなければいけません。)…に取り掛かりました。
そして、その作業をする時、便利な制度があるのに利用する人が少ない制度がある、と言われて利用したのが、法定相続情報証明制度です。
(なんだか、噛んでしまいそうな長いネーミングですね。)
本記事では、この制度について紹介し、いざと言う時のお役に立てていただければ幸いです。
2. 戸籍をとる煩わしさ
法務局、銀行などの金融機関、税務署に提出する書類は、ほとんどと言っていいほど、故人(被相続人)の、生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を添付するように言われます。
この戸籍謄本…故人の亡くなった時の市町村の役所で、すべて揃うかと言うとそうではありません。
故人が、亡くなるまで新たな戸籍を作っていれば、遡って、過去の戸籍謄本を全て取得しなければいけないのです。
このように、複数ある戸籍謄本を生まれた時まで揃えるためには、その折々に作成した戸籍の市町村の役所に問い合わせなければいけません。
しかも、その市町村が、統廃合して別の市町村名になっていたら、調べるのに時間がかかるため、戸籍を取得するのに、とても日数を要します。
例えば父の場合、生まれた村が市町村合併しており、全部の戸籍謄本が揃えるのに1か月かかりました。
このように、時間をかけて、苦労してとった戸籍謄本。
「原本を返して。」と言わなかったら、前述の機関に提出したまま戻ってこないので、再度取得しなければいけません。
しかし、そのような煩わしさは、法定相続情報証明制度を利用することによって解放されます。
3. 法定相続情報一覧図の写し
この制度は、平成29年5月から始まった制度です。
下記の書類をそろえて、法務局発行の法定相続情報一覧図の写しを取得します。
必要な書類
① 被相続人…故人ですね…の戸籍謄本、除籍謄本(出生から、亡くなった日まで)
② 被相続人の住民票の除票
③ 相続人全員の戸籍謄本もしくは戸籍抄本
➃ 申出人の住所氏名を確認できる書類
そして、法定相続情報一覧図を作成します。
法務局の雛型 この、黄色いところに、情報を入れていきます。
引用:法務局ホームページより
審査が通れば、法務局の印鑑が付いた、法定相続情報一覧図の写しを発行してもらえます。
法務局が発行したこの、法定相続情報一覧図の写しは、この証明書を作る時に必要な書類の提出データが、この1枚に集約されますので、他の機関で①~③の代わりとして使うことが出来ます。
(機関によっては、例外もあるそうですが、私の場合、全ての機関について代用できました。)
発行手数料は、タダです。
また、発行部数も希望数を発行してもらえます。
私が発行してもらった時、
「もしも足りなかったら困るでしょう。」
と、言ってくださって、余分に発行して下さいました。
実際足りなくなったら、再発行もできるそうです。
一般的な手続きとして書いたので、具体的なことは法務局のホームページを見て下さいね。
4. 相続税のタイムリミットはすぐ来る
実際、父が亡くなった後の、様々な手続きに関わって感じたのが、相続税申請の期限が、故人(被相続人)の死亡日の10か月後がタイムリミットなのですが…
結構、あっという間に日が経っていくという事でした。
この法定相続情報証明制度の利用するメリットは、故人の戸籍謄本の提出の簡便化にあります。
スピーディーに手続きを済ませるのに、大変役に立ちました。
例えば、父の戸籍謄本をとるのに1ヵ月。
(父の出生地が他県だったので、役所とメールでやり取りをしました。)
銀行は、手続きの予約を取るのに1週間。
そして、いざ銀行で手続きをしようとしたら、たった2円しか入っていない休眠口座がみつかり、新たな書類を県外の兄弟に送って、改めて印鑑を押して送り返して貰って、それから再度銀行の予約とるのに1週間。
全く郵送代のほうが高くつく…。(苦笑)
予約を取ってから、必要書類を提出し、手続きが終わるのに1週間。
また、税務署への申告は、そもそも訳の分からない複雑な書類をいっぱい書かなくてはいけない。
ボールペンで書くので、どれだけ書き損じて書きなおしたことか。
(話は変わりますが、忙しい兄妹間の連絡は、ラインが便利ですね。電話代がタダだし、写真も送れるし。大変重宝しました。)
そんなこんなで、あっという間に時間がたちました。
だから、原本が必要と言われ、戸籍謄本を提出したまま、戻ってこなかったら…
そうなったら、取り直しにまた1ヵ月もかかるのです!!
5. 結びにかえて
以上、法定相続情報証明制度の利用の仕方と、メリットについてご紹介しました。
実際は相続手続きに関しては、ほとんどの人が、全てではないにしろ、その一部をその手のエキスパートに依頼するとのことです。
しかし、時間があって、おかれた環境が複雑でなければ、自分たちですべての手続きをするのは不可能ではありません。
(同居していたつもりでも、階段をどこに設定するかによって、同居の定義に当てはまらない場合があるのですって。この場合は、複雑ですね。)
分からないことがあったら、親切に教えてくれる相談の窓口もあります。
そして、個人的にも、勉強にもなりました。
と、偉そうなことを書いていますが…
実は、面倒な戸籍取得と、一番煩わしい税務署への書類作成はほとんど兄に作成してもらいました。(苦笑)
皆様が、これから関わることがあるかもしれない作業。
少しでも、簡便にさせる制度の紹介が、お役に立てば幸いです。
今日も…日日是好日。