1.はじめに
このブログで度々登場する私の父は、要介護4で介護施設に入所しています。
そして、介護計画については、その施設に所属していらっしゃるケアマネージャーさんに、一任しております。
さて、この度、その介護施設の介護サービス費が値上げになりました。
正直、痛い出費となりました。
しかし、これを機に、ケアマネージャーさんに任せきりで自分は何も分からない、というのはいけないことだと反省し、区役所に問い合わせたりして、どうにか大雑把に高齢者の医療費、介護サービス費の仕組みが分かるようになりました。
そこで、今日は自分の備忘録も兼ねて、今回勉強したことの一つである「高額医療・高額介護合算療養費制度」について、紹介したいと思います。
2.「高額医療・高額介護合算療養費制度」とは?
医療控除の申請は良く知られていますが、「高額医療・高額介護合算療養費制度」については、あまりなじみのない言葉ではないでしょうか。
「高額医療・高額介護合算療養費制度」は平成20(2008)年度から始まった制度です。
高額な医療費、高額な介護費を負担を減らすための制度です。
ラジオで聞いていたら、申請していない人も多いとか。
もったいないと思います。
対象となっていれば、ぜひ申請してくださいね。
3.「高額医療・高額介護合算療養費制度」の対象は保険適用の範囲内
「高額医療・高額介護合算療養費制度」申請には、条件があります。
まず、医療保険、介護保険のどちらもに加入していることが前提です。
そして、両方の保険を使っていることも前提です。
また、これが一番重要だと思うのですが、医療保険、介護保険の適用範囲内で、一定の金額をオーバーしたら、申請できるという事です。
医療費の支払いについては収入に応じて違いますが、医療保険が適用されると、自己負担は1割負担、2割負担…となりますね。
重ねて言いますが、医療保険が適用される自己負担分が対象となります。
介護保険も、保険を使った時の支払いは、まず収入によって1割負担、2割負担…と、自己負担分が決められています。
しかし、医療保険と比べて、更に複雑な決まりがあります。
まず、介護保険が適用される上限額が、自己負担が1割負担、2割負担の人では違います。
その上、要支援、要介護の度合いによっても、上限額が決められています。
例えば、同じ要介護4でも、支払いの自己負担率が違えば、保険の適用される上限額も違います。
また、例えば、同じ自己負担が1割負担でも、介護3と介護4で保険適用される上限額も違います。
介護保険適用の上限額を超えた分は介護保険が適用されなくて、自己負担は10割負担となり、かつ「高額医療・高額介護合算療養費制度」の対象となりません。
普通、介護保険の上限額を超えないように、ケアマネージャーさんが、介護計画を立ててくれます。
実は、私はこの複雑な上限額を把握していなかったために、訳が分からず、こんがらがってしまいました。
3.「高額医療・高額介護合算療養費制度」の計算の仕方
それでは、どれくらい戻ってくるのでしょうか。
引用:厚生労働省保険局のホームページより
ここで、一般の年収156万円~370万円の70歳以上の方について、みてみましょう。
間違えやすいのが、自己負担額が56万円を超えた分について、全て戻ってくるわけでないという事です。
あくまで、保険が適用される範囲内で56万円をオーバーしたら、その部分が戻ってくる…という事です。
なので、例えば介護サービス費が、介護保険の適用される満額以上にオーバーしたら10割負担で、その部分に関しては、「高額医療・高額介護合算療養費制度」の対象となりません。
そして、「高額医療・高額介護合算療養費制度」は、医療費との合算となります。
4.結びにかえて
「高額医療・高額介護合算療養費制度」は、大変ありがたく、ぜひ利用したい制度です。
対象となる人は3~6月ごろに申請手続きをするための書類を送ってきますので、見落とさないようにして、ぜひ申請してくださいね。
※ あとがき
「高額医療・高額介護合算療養費制度」について調べていましたが、介護保険については前述のように分類が細かいので、こんがらがってしまいました。
介護サービス費について、特に介護施設に入所している場合、介護保険が1割負担でなければ、介護保険の限度額を超えることが多いそうです。
その場合、ケアマネージャーさんと介護サービスの計画について、相談するのもいいと思います。
10割負担のサービスを、どれだけ受けているのか把握することは大切です。
私の場合、ケアマネージャーさんに、父が要介護4なので、申請して障害者手帳を交付してもらう様にアドバイスを受けました。
所得によりますが、医療費がただになる場合があるからです。
しかし、父の場合、医療費に関して、この「高額医療・高額介護合算療養費制度」と、年度末の医療控除の申請を考えたら、医療費がただになってもメリットがあまりなかったので、障害者手帳の交付の申請をすることをやめました。
前述のように、介護保険については複雑で、間違えやすい、勘違いをしやすいところがあります。
更に、お年寄りの年齢、ご夫婦か、単身かによっても、保険適用額が違ってきます。
ご夫婦合算の場合、同じ保険に入っていることも前提です。
よく分からなければ、お住いの自治体に問い合わせをすることをお勧めします。
今日も…日日是好日。