泣いても笑っても日日是好日

人生は一期一会の連続。平凡な毎日でも、泣いても笑っても…

猫の世話より手のかかるものがある…30分の悲劇

今週のお題「ねこ」

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昔々、もう15年以上も前の お話です。

 

お父さんとお母さんと2人の子ども達が庭で草むしりをしていました。

お母さんは途中で近所に用事があるのを思い出し、お父さんと2人の子ども達を残し

「30分で帰ってくるね。」

と言って出かけて行きました。

 

後にお母さんが、「30分の悲劇」と名付けた事件は、その時に起こりました。

 

30分の悲劇…

 

お母さんが家に帰ってみると…

 

お父さんと子ども達は大騒ぎです。

 

なんと子どもが、白と黒のぶちの、まだ目のあいていない可愛らしい子猫を抱えていたのです。

 

「なに?この猫?どうしたの?」

と、お母さんが言うと、

「庭の隅の壺からねこがでてきたの。ニャーニャー鳴いてるから壺をのぞき込んだら、猫がいたの。」

 

全く魔法のランプならぬ、魔法の壺でした。

 

親の猫の姿は見当たりません。

子猫は、可愛らしい中にもよく見ると、なんとなく痩せこけた猫でした。

「こりゃ親に見捨てられたんだよ。」

「ねぇ、うちで飼おうよ。」

 

お母さんはお父さんや子ども達にせがまれました。

でもお母さんは、お父さんや子どもの世話だけでも大変で、また両親と同居もしているのでペットの世話をするパワーがありませんでした。

 

「猫の世話は自分達でする!」

と言うけれど、

「きっと私がしなければならない事も一杯あるだろうな。」

とも思いました。

 

ということで、お母さんは次の日から子猫の飼い主を探し始めました。

子ども達は、幼稚園で大好きだった絵本の『猫のミロ』にあやかって、子猫にミロという名前をつけました。

「飼い主が見つからなかったら、うちで飼おうね。」

 

しかし、とうとうミロは知り合いの心優しい人に貰われていくことになりました。

子ども達は、わんわん泣きながらミロとお別れしました。

 

 

時は流れて…

 

 

ミロは懐かしい思い出となりました。

 

 

そして今…

 

 

お母さんは思います。

 

あの時猫を飼っていたら今頃さぞかし大きくなってたろうなぁ。

今なら子どもも大きくなったし、猫も飼えるのかなー、って。

いやいや、ペットはもうちょっと飼わなくていいや。

まだまだお父さんと子どもの世話で精一杯だから。

 

今、お父さんとお母さんと子ども達の家では黒いデメキンの「ロシナンテ」が泳いでいます。

 

 

 

今思い出しても、なんで庭の隅に壺があったのか、どうして壺があったのか全く覚えていません。

また、子ども達もミロの事は遠い記憶となりつつあります。

 

 

今日も…日日是好日